「楽しそう!」と感じた方向に将来へとつながる道が伸びている

日本放送協会(NHK) 河村 陽介さん

2017/05/17

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

社会学部を卒業し、今はNHK(日本放送協会)で働いている河村陽介さんからのメッセージです。

ゼミ活動をきっかけに 「憧れ」が「現実」に変わった

テレビ業界には、幼い頃から興味を持っていましたが、ミーハー心から生まれた“憧れ”というレベル。メディアへの就職を真剣に考えていたわけではありませんでした。転機となったのはメディア系の研究をする砂川ゼミに入ったこと。テレビ局を見学させていただいたり、現役で活躍する業界の人たちの話を伺う機会をいただいたり、メディアとの接点が増えていくうちに憧れだったテレビ業界への就職が、リアルな希望へと変わっていきました。砂川ゼミに入っていなければ、NHKに入局することはなかったでしょう。
就活にあたって考えたのは、故郷である名古屋で仕事がしたいということ。そのため、転勤で名古屋勤務になる可能性があるNHKと、名古屋のテレビ局に絞りました。そこまで強く「名古屋に戻りたい」と思ったのは自分でも意外でした。東京での4年間の生活は楽しかったのですが、やはりどこか異質な文化だと感じていて、名古屋の良さを再認識したのかもしれません。離れてみたからこそ魅力に気づけたのでしょう。

実際に自分の目で見て 初めて理解できることがある

就活では名古屋のテレビ局からも内定をいただいたのですが、最終的には、故郷の名古屋や大学時代を過ごした東京をはじめ、全国で働ける可能性があるということで第一志望だったNHKに決めました。その頃、まわりの社会人の方が「学生のうちに旅行に行っておけ」とアドバイスをくださったので、積極的に旅に出ました。もっとも印象深い旅行先はアメリカのロサンゼルス。まったく異なる文化が入り混じるとはこういうことかと、日本とのスケールの違いに圧倒されてしまいました。旅行中は「日本はどのように見られているのだろう?」と探ってばかり。例えばジブリ作品が話題になっているのを見ると、「海外でも人気って本当だったんだ」と、自分の頭と体で実感できます。話で聞いたりネットで読んだりするのと、実際に体験するのとでは、理解の深さはまったく違いました。

悩んだ社会人一年目は ゼミの先生の言葉に支えられた

NHKの場合、最初は地方からスタートすることが多く、私の場合はそれが高知県でした。編成という、いわば放送局内での交通整理のような役割の部署に配属されたのですが、この1年は正直言って本当につらかったです。知り合いがいない環境で生活するつらさや、月並みですが社会人としての責任も重くのしかかってきて。なかなか苦しい思いをしました。そんな時、いつも電話をかけたのがゼミの砂川先生でした。相談すると、「こういう経験を持った人がいるから、今度一緒に飲みに行こう!」って明るく励ましてくれて。この一年は先生に支えられていたようなものです。
今はだいぶ仕事にも生活にも慣れてきました。思うに私は受け身すぎたんです。まだまだ編成の“へ”の字も分かっていない段階ですが、最近では上司から言われたことだけではなく、自分の意志で動けるようにもなってきました。2年目となる今年は、編成の仕事に対してどう向き合っていくべきか、一歩踏み込んで考えていきたいです。

メディアを通していろいろな人の 考え方に触れていきたい

今、大学時代を振り返ってみて、一番に思い出すのがゼミ生20人が一つのテーマに向けて発表した「年間研究」です。政治的なテーマだったのですが、20人いれば20通りの意見があります。でも発表の段階では1つの意見にまとめなくてはならず、あの作業は大変でしたが、同時に楽しくもありました。実はあの時に感じた「自分よがりではダメ」という思いは、今の仕事にも繋がっています。いろいろな人がいて、それぞれに意見がある。そこをどう調整するかが私の仕事。きっと私は、メディアを通じてさまざまな人の気持ちを考えていきたいのだと思います。
結局私はミーハーなのでしょう(笑)。あのゼミ楽しそうとか、アメリカおもしろそうとか。でも後付けかもしれませんが、ミーハー心で動いたことが、不思議と後に活きてきたりするもの。そういう意味でも立教の社会学部は私にぴったりでした。池袋の一等地で過ごせることはもちろん、全国各地から学生が集まっていて、興味も刺激も目の前にあふれていましたから。立教はチャンスが多い大学なので、4年間を無駄にせず真剣に学び、楽しめば、なりたい自分になるためのきっかけは、必ずつかめるはずです。

プロフィール

PROFILE

河村 陽介さん

日本放送協会(NHK)
高知放送局 企画編成部
社会学部メディア社会学科2016年卒業

※本記事は、大学新聞社による「就活支援ジャーナル」(2017年5月発行)の記事を再構成したものです。記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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